M7 MBAを卒業した今だから思う、入学前に勘違いしていた10のこと【MIT Sloan体験記】

「MBAに行けば、人生が変わる」——そんな期待を胸に、私は2年間、MIT SloanのFull-TimeMBAに通いました。卒業した今あらためて振り返ると、入学前の自分が思い描いていたMBA像

と、実際に飛び込んで見た姿は、ずいぶん違っていました。

この記事では、「卒業した今だからこそ思う、入学前に勘違いしていたこと・知っておきたかったこと」を10個にまとめてお伝えします。これからMBAを目指す方が、少しでも遠回りせずに準備できるよう、私自身の反省も含めて正直に書いていきます。

はじめに、ひとつだけお断りを。ここで書くのは、あくまで私が同級生たちと話す中で感じたことです。同じMIT Sloanの卒業生であっても、まったく違う感想を持つ人はいるはずですし、学校が違えばなおさらでしょう。「ひとりのMBA卒業生のリアルな声」として読んでいただけたら幸いです。

筆者について

はじめまして。私は日系のコンサルティングファームでキャリアをスタートし、その後独立して、あるアドバイザリーファームの創業と事業拡大に携わってきました。そして「経営をもう一段深く学びたい」「これまでとまったく違う世界に身を置いてみたい」という思いから、MIT SloanのFull-Time MBAに進学し、2年間を過ごしました。本連載では、その2年間の経験をもとに、これからMBAを目指す方に向けて「入学前に知っておきたかったこと」を、できるだけ具体的にお伝えしていきます。

そもそも「M7」とは?

「M7(エムセブン)」とは、アメリカのビジネススクールの中でも特にトップとされる7校の総称です。具体的には、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)、スタンフォード、ペンシルベニア大学ウォートン、MIT Sloan、シカゴ大学Booth、ノースウェスタン大学Kellogg、コロンビアの7校を指します。

日本ではこの「M7」という括りがひとり歩きしているように感じていて、正直なところ「これは日本特有の言い方なのでは?」と思っていました。ところが実際にアメリカへ行ってみると、M7はMBAコミュニティの中で普通に通じる言葉で、しかも日本人以外の学生もかなり気にしていることを知りました。この“みんな意外と気にしている”という感覚については、記事②で詳しくお話しします。

入学前に勘違いしていた・知っておきたかった10のこと

ここからは、私が入学前に勘違いしていたこと・知っておきたかったことを、10個のダイジェストでご紹介します。それぞれの詳細は、この連載の各記事で深掘りしていきます。

カルチャーは、学校ごとに驚くほど違う

同じ「MBA」でも、カリキュラムだけでなく、集まる学生の顔ぶれも、そこから生まれる空気感もまるで違います。MIT Sloanは他校に比べてパーティーが控えめで、「Sloanies helping
Sloanies(スローニーがスローニーを助ける)」という言葉に象徴されるように、在校生もOB・OGも驚くほど協力的でした。もっとギスギスしているのかと思っていたので、周りの温かさに驚いたほどです。

関連記事:受験・出願編(記事②)で詳しく

② M7は海外でも意識されている。でも「出口」の差は小さい

アメリカのMBAコミュニティでも、受験校や「どこを蹴ったか」はよく話題になり、ランキングはジョークのネタにもなります。ただ、いざ就職活動が始まると、コンサルやテック、事業会社の戦略職では、M7とその他のトップ校で大きな差は感じませんでした。

関連記事:受験・出願編(記事②)で詳しく

③ GMATは入学後も話題になる。でも実力とは相関しない

GMATのスコアは、入学後も意外と話のネタになります。ただ、点数の高さと、授業での評価や就活での成果は必ずしも結びつきません。スコアメイクに追い込まれすぎないでほしい、というのが正直な気持ちです。

関連記事:受験・出願編(記事②)で詳しく

英語の語彙力より、「コミュ力」がものを言う

語彙力は最低限あれば何とかなります。それ以上に大切なのは、「話そうとする意志」と「誰とでも仲良くなろうとする力」でした。片言でも自分の意見を言う人のほうが、黙っている人よりずっと評価されます。

関連記事:授業・英語・多様性編(記事③)で詳しく

授業は「発言してなんぼ」

授業での発言(貢献)は成績評価の対象で、TAが毎回誰が発言したかを記録しています。多少ずれた質問でも、黙っているよりは評価される——これは日本の感覚とは大きく違うところでした。

関連記事:授業・英語・多様性編(記事③)で詳しく

自分より特殊な経歴の人は、いくらでもいる

軍出身者が1割以上、ほかにも医師、起業家、元プロスポーツ選手、王族まで。日本では「特殊な経歴」と思っていた自分も、まったく目立ちませんでした。だからこそ、経歴の珍しさで勝負するより「自分は何者か」を問い続けることが大切だと感じました。

関連記事:授業・英語・多様性編(記事③)で詳しく

入学前の「Why MBA」は、変わっても構わない

入学前に書いた志望理由を、卒業時にそのまま覚えている人はほとんどいません。むしろ在学中に価値観やキャリア観が変わることこそ、MBAに行った価値だと感じます。途中でキャリアを方向転換しても、まったく問題ありません。

関連記事:キャリア・就活・ネットワーク編(記事④)で詳しく

就活は、ネットワーキングが9割

学校の知名度だけでは就職できません。自分から動いて人に会いに行けるかどうかで、チャンスの数がまったく変わります。良い学校ほど手取り足取り助けてくれる、というのは勘違いでした。

関連記事:キャリア・就活・ネットワーク編(記事④)で詳しく

授業外の出費は思ったより多い。でも、そこにこそ価値がある

旅行やイベントなど、授業の外で使うお金は想像以上でした。ただ、その時間こそが本音を語り合える場であり、一生の友人を生む場だったのです。ここをケチると、MBAの醍醐味を逃してしまうかもしれません。

関連記事:お金・家族・生活編(記事⑤)で詳しく

家族の存在感は大きく、日本はまだ世界から期待されている

3割ほどの学生がパートナーを帯同し、家族ぐるみの大きなコミュニティがあります。そして毎年恒例の「Japan Trek」の人気ぶりからも、日本はまだ世界から期待されているのだと実感しました。

関連記事:お金・家族・生活編(記事⑤)で詳しく

まとめ:MBAは「学校におんぶにだっこ」では終われない

10個を振り返って一貫して感じるのは、「MBAは学校におんぶにだっこでは終われない」ということです。学校は必要なリソースを用意してくれますが、それをいつ、どう使うかは自分次第。あなた一人のためにテイラーメイドされたプログラムがあるわけではありません。

だからこそ、受験のタイミングから「自分は何をしにMBAへ行くのか」に向き合っておくことが、実りある2年間につながります。入学してからは、本当にあっという間に時間が過ぎていきます。次回からは、ここで挙げた10のテーマを、より具体的なエピソードとともに一つずつ掘り下げていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. M7とは何ですか?

A. アメリカのビジネススクールの上位7校(HBS・スタンフォード・ウォートン・MIT Sloan・シカゴBooth・Kellogg・コロンビア)の総称です。

Q. MBAにはどれくらいの英語力が必要ですか?

A. 語彙力は最低限で大丈夫です。それ以上に、話そうとする姿勢とコミュニケーション力が評価を左右します(詳しくは記事③)。

Q. M7でないと就職に不利ですか?

A. 一般的な就職先では、学校名による差はさほど大きくありません。最終的には入学後の努力次第です(詳しくは記事④)。

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