チェコは世界的に著名なクラシック作曲家を多数輩出しています。「新世界より」に代表されるドヴォルザークや「我が祖国」に代表されるスメタナなどは、日本でも名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
偉大な作曲家を多数輩出したプラハは「音楽の街」として今でも街の様々なホールでクラシックのコンサートを鑑賞することができます。
そんな音楽の街プラハでは、毎年5月に街をあげて「プラハの春」音楽祭を開催します。今回は、このヨーロッパ有数の音楽祭についてレポートしたいと思います!
プラハの春音楽祭とは?
プラハで1946年から毎年開催される世界的な音楽祭です。
チェコを代表する作曲家であるスメタナの命日である5月12日にオープニングコンサートが行われ、彼の代表曲である「我が祖国」が必ず演奏されます。
これを皮切りに、3週間ほどプラハ市内で音楽祭が行われます。
メイン会場はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地である芸術の家(ルドルフィヌムRudolfinum)が使用されます。
これ以外にも、プラハ各所の教会やホールも会場として利用されます。
元々はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団(Czech Philharmonic Orchestra)創設50周年を祝う目的で開催されたようです。今では、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団以外にも、世界中の名門オーケストラが「プラハの春」でコンサートを開いています。曲目もチェコの作曲家以外にも幅広い曲が演奏されます。
オープニング・コンサートについて
「プラハの春」でも最も有名かつ人気が高いのがオープニング・コンサートです。チェコの「第2の国歌」ともいえる、スメタナの代表曲「我が祖国」が演奏されます(特に第2曲の「ヴルタヴァ(モルダウ)」は日本でも一度は耳にしたことがある曲だと思います)。
オープニング・コンサートは「市民会館」内の「スメタナ・ホール」で開催されます。1911年に完成したこのアールヌーヴォー様式の建物は外観だけでも十分見る価値があります。
館内のスメタナ・ホールの装飾もとても美しく、クラシック音楽を聴くにはこれ以上にない環境です。
オープニング・コンサートにはプラハ市長はもちろん、チェコの大統領も参加します。指揮者は、世界的に著名な指揮者が指揮をとることが多いです。
私が観に行った時はスメタナ・ホールは超満員でした。チケットもすぐ売れてしまうため注意が必要です。
実際に参加してみると、その演奏に圧倒され、あっという間に時間が過ぎてしまいました。本当に夢の中にいるようでした!
プラハの春のオープニング・コンサートにはこんな逸話もあります。
1946年の第1回のオープニング・コンサートを指揮したラファエル・クーベリック(チェコを代表する指揮者です)は、1948年にチェコスロヴァキアで共産党政権が成立すると、共産政権に反対したクーベリックはイギリスに亡命します。
クーベリックは、それから一度も祖国チェコに戻ることはなく1986年には指揮者を引退します。
その後、1989年11月のビロード革命を契機に、チェコは再度民主化します。その直後の1990年のプラハの春音楽祭で、なんとクーベリックが42年ぶりに祖国チェコに戻り、オープニング・コンサートの「我が祖国」を指揮し、現役復帰をしたのです。
(余談ですが、その翌年にクーベリックは来日し、「我が祖国」を演奏しています。これも名演として知られているので、興味のある方はぜひ聴いてみてください!)
このエピソードだけでも、「我が祖国」および「プラハの春」音楽祭がいかにチェコ人にとって大きな存在かがよくわかるかと思います。
チケットの入手方法について
チケットはインターネットで購入することができます。
以下のリンク先の各プログラムをクリックするとチケット購入ページに飛ぶことが出来ます。
また、ルドルフィヌムや市民会館のチケットボックスやプラハ市内のチケットオフィスでも購入できるようです。
詳細については以下のリンク先をご参照ください。
大変オススメなイベントですので、5月~6月初旬にかけてプラハに行く機会があれば、ぜひコンサート会場に足を運んでみて下さい!
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