Dog Man(ドッグマン)とは?アメリカで大人気の理由・対象年齢・読む順番を徹底解説

「ねえママ、次のDog Manはまだ出ないの?」最近、小学一年生の長男から、この質問を何度されたか分かりません。今年の秋に最新刊の発売を控えていて、表紙が少しずつ公開され始めると、そのたびに息子は「まだ?もう出た?」とそわそわ。すっかりドッグマンのとりこです。

※本ページはプロモーションを含みます。

Dog Man(ドッグマン)の本を夢中で読む男の子
読み始めると止まらない我が家の長男。今日もDog Manに夢中です。

Dog Man(ドッグマン)は、アメリカの子どもたちの間で「知らない子はいない」と言われるほどの大人気シリーズです。それもアメリカだけの話ではありません。世界47か国語に翻訳され、累計6,000万部を超える、正真正銘の世界的ベストセラーなんです。新刊が出るたびに初版が数百万部、書店には行列。2025年には映画にもなりました。でも、日本ではまだ「名前は聞いたことあるけど、実際どんな本なの?」という親御さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、同じように子育て中の私が、次のことをお伝えします。

  • Dog Manってどんな本なの?(あらすじと作者のこと)
  • なぜアメリカでここまで愛されているの?
  • 何歳から読める?英語のレベルは?
  • どの順番で読めばいい?(全巻リストつき)

読み終わるころには、「じゃあ、まずこの一冊から始めてみようかな」と思っていただけるように書きました。うちの子にも英語に親しんでほしい、本を好きになってほしい。そんな気持ちの方の参考になればうれしいです。


Dog Man(ドッグマン)とは?

Dog Manは、アメリカの作家デイブ・ピルキー(Dav Pilkey)さんが手がける、子ども向けのグラフィックノベル(漫画のような形式の本)シリーズです。第1巻が出たのは2016年。それからずっと、世界中の子どもたちに読まれ続けている大ベストセラーなんです。

主人公は、名前のとおり「犬の頭を持った警察官」。事件で大ケガをした警察官と警察犬のグレッグが、緊急手術で「勇敢な警察官の体」と「賢い犬の頭」をくっつけて生まれ変わります。ちょっとびっくりな設定ですが、ここから物語が始まります。生まれ変わったドッグマンが、ずる賢いネコの悪役ピーティー(Petey)たちと繰り広げる、笑いと友情たっぷりのヒーロー・コメディです。

Dog Man (ドッグマン)の表紙

「小学生が描いたマンガ」という設定がかわいい

この本のいちばんおもしろいところは、作品そのものが「ジョージとハロルドという二人の小学生が描いたマンガ」という、劇中劇のスタイルになっていること。実はこの二人、ピルキーさんのもう一つの代表作『キャプテンアンダーパンツ(Captain Underpants)』の主人公なんです。つまりDog Manは、そこから飛び出して生まれた作品なんですね。

だから絵はわざと子どもが描いたような手書き風で、スペルミスもそのまま。この「ちょっと不完全な感じ」が絶妙で、本を読むのが苦手な子でも「これなら読めそう」「なんなら自分でも描けそう」と思えてしまう。うちの息子を見ていても、まさにここに引き込まれていったなと感じます。

作者デイブ・ピルキーさんってどんな人?

デイブ・ピルキーさんは、シリーズ累計1億部を超える世界的な児童書作家さん。文章もイラストも全部ご自身で手がけています。実はこのDogManという作品、彼自身の子ども時代の経験がまるごと詰まっているんです。しかも今、ある意外な場所に暮らしています。その話は記事の後半で、たっぷりご紹介しますね。


Dog Manがアメリカで大人気の理由

「そんなに売れてるって、いったいなぜ?」と気になりますよね。子育て目線で見ると、その理由がすごく納得できるんです。

1. 「本を読むのが苦手な子」ほどハマる

一番の理由はこれだと思います。Dog Manは、読書が苦手な子こそ夢中になるように作られているんです。全部がマンガ形式で、1ページの文字数は少なめ。絵を追っているだけでもお話の展開が分かります。「字ばっかりの分厚い本はちょっと……」という子でも、Dog Manならスイスイ最後まで読めてしまう。この「一冊読み切れた!」という達成感が、次の本、そして「読書って楽しい」という気持ちにつながっていくんですよね。

アメリカでは図書館の方や小学校の先生が、本に消極的な子への「最初の一冊」としてすすめることがとても多くて、それが口コミでどんどん広がっていきました。

2. とにかく笑える、しかも毎回ちゃんと進化する

Dog Manは、コメディとしての完成度がとにかく高いんです。ダジャレやおならネタ、ドタバタ劇。子どもが大好きなツボをぜんぶ押さえてきます。それでいて、巻を追うごとに登場人物が増えて、キャラクター同士の関係にも深みが出てくる。悪役だったネコのピーティーや、そのクローンとして生まれた子猫リル・ピーティー(Li’l Petey)を通じて、「悪いことをしちゃった人にも、やり直すチャンスはある」「人は変われる」といったテーマが、押しつけがましくなく描かれます。となりで一緒に読んでいる親の方が、じーんとしてしまうこともあるくらいです。

3. 発売のたびに「事件」になる

Dog Manの新刊は、アメリカでは発売と同時にニューヨーク・タイムズのベストセラー1位を飾る、全米の本屋さんの前に大行列という、まさに「事件」。初版は数百万部という規模で、2020年にはこのシリーズだけでアメリカのコミック全体の売上の約13%を占めたと言われたほどです。書店では発売日にイベントが開かれて、子どもたちも列をなす。この「みんなが読んでる!」という盛り上がりが、また新しい読者を呼んでいます。

4. 2025年の映画化で人気がさらに加速

2025年1月末には、ドリームワークス・アニメーションによる映画『Dog Man』が公開されました。映像で作品を知った子が「原作も読みたい!」と本に手を伸ばす。そんな新しい流れも生まれています。


子どもが大興奮!Dog Man名物「Flip-O-Rama(フリップ・オ・ラマ)」

Dog Manを語る上で、これだけは絶対に外せません。それがFlip-O-Rama(フリップ・オ・ラマ)という、ピルキーさんならではの遊びのしかけです。

やり方はとってもシンプルです。本のあるページを指ではさんで、パラパラっと前後にすばやくめくると、2枚の絵が交互に見えて、まるでアニメのように動いて見えるんです。ドッグマンがパンチを繰り出したり、悪役が吹っ飛んだり。そういう一瞬が、自分の手で「動く」。パラパラ漫画をもっと手軽にしたようなもの、と言えば伝わるでしょうか。

このしかけ、もともとは『キャプテンアンダーパンツ』から続くピルキー作品の伝統、シグニチャーであり、Dog Manの各巻にもしっかり登場します。何がすごいって、子どもが「読む」だけの受け身じゃなく、自分の手を動かして参加できること。うちの息子も、Flip-O-Ramaのページになると「見て見て!」と何度も何度もパラパラして、大はしゃぎです。

実は先日、あんまり何度もやるものだから、そのページをビリッと破いてしまったことがありました。でも息子は、しょんぼりするどころか、自分で補修テープを持ってきて、小さな手で一生懸命ページを直していたんです。大好きだからこそ、ちゃんと直してまた読みたい。その姿を見て、この本がどれだけ息子の宝物になっているのかが伝わってきて、思わず胸がいっぱいになりました。デジタルの動画とはまた違う、紙の本ならではの魔法だなあと感じます。

何度も遊んで破れたDog Man(ドッグマン)のFlip-O-Ramaのページを、息子が補修テープで直した様子

ちなみに、これがきっかけで「自分でもパラパラ漫画を描いてみたい!」と鉛筆を握りだす子も少なくないそうです。読書が、いつのまにか「創作」につながっていく。Dog Manが「本ぎらいの子」を変えてしまう理由が、こんなところにもあるんですね。


Dog Manの対象年齢と英語レベル

買う前にいちばん知りたいのは、「うちの子に合うかな?」というところですよね。ここは具体的にお伝えします。

対象年齢の目安

日本語版を出している飛鳥新社さんは、対象年齢を6歳からとしています。アメリカでは、だいたい7〜9歳(小学校低〜中学年)を中心に、6〜11歳ごろまで幅広く楽しまれています。

読者のタイプ楽しみ方
6〜8歳(未就学〜小学校低学年)絵を追うだけでも楽しい。読み聞かせにもぴったり
9〜11歳(小学校中〜高学年)ストーリーやキャラの関係まで深く味わえる中心層
英語多読をはじめたい人(年齢問わず)絵が理解を助けてくれるので、洋書デビューに最適

英語のレベルと、ちょっとしたクセ

英語自体はそんなに難しくありません。1文が短くて、絵が意味を補ってくれるので、英語多読の入り口としてとても人気があります。ただ、いくつか知っておくと安心な「クセ」もあるんです。

まず、わざとスペルを間違えている箇所が多いこと。さっきお話しした「小学生が描いたマンガ」という設定なので、意図的な誤字がたくさん出てきます。ただ、ここは心配しなくて大丈夫。その多くは発音どおりに書いた「かわいいスペルミス」で、英語圏の子どもが読み書きを覚えていく過程でごく自然にやる、ほほえましい間違いそのものなんです。まちがった綴りが刷り込まれてしまうようなものではなく、むしろネイティブの子と同じ感覚にふれられる部分とも言えます。気になるときは「これはわざとなんだよ、正しくはこう書くんだよ」と一言そえてあげれば、それがそのまま学びのきっかけにもなりますよ。

それから、言葉遊びやダジャレ、アメリカならではのスラングが多いのも特徴。各巻のタイトルからして名作のパロディ(たとえば『Fetch-22』は名作『Catch-22』のもじり)になっていて、英語ならではのユーモアが効いています。ここは分からなくてもお話は十分楽しめるので、大人がクスッと笑いましょう。最初は「絵とストーリーを楽しむ」ことを優先すれば大丈夫です。

日本の子・英語学習者が読むときのコツ

できれば最初から英語版で楽しんでほしいところですが、グラフィックノベルとはいえ、いきなり洋書だと身構えてしまうお子さんもいると思います。そんなときは、日本語版で先に世界観に親しんでおくのも一つの手です。ストーリーを知っていると、あとから英語版を開いたときのハードルがぐっと下がります。日本語版は飛鳥新社から、翻訳家の中井はるのさんの訳で出ていて、手書き風のイラストやジョークの雰囲気もていねいに再現されています。日本語で1〜2巻ためしてから英語に移る、という進め方もアリだと思います。

なお、Dog Manを入り口に「英語のグラフィックノベルで多読を始めたい」という方は、選び方やレベル別のおすすめを英語のグラフィックノベル多読ガイドでまとめているので、あわせて読んでみてくださいね。


Dog Man 読む順番【完全一覧】

Dog Manは、基本的に刊行順(出た順)に読むのがいちばんおすすめです。巻を追うごとに登場人物が増えて、キャラクター同士の関係やお話が少しずつ積み重なっていくので、順番に読むと物語をより深く楽しめます。

こちらがメインシリーズの一覧です(原題・発売年)。

原題発売年
1Dog Man2016
2Dog Man: Unleashed2016
3Dog Man: A Tale of Two Kitties2017
4Dog Man and Cat Kid2017
5Dog Man: Lord of the Fleas2018
6Dog Man: Brawl of the Wild2018
7Dog Man: For Whom the Ball Rolls2019
8Dog Man: Fetch-222019
9Dog Man: Grime and Punishment2020
10Dog Man: Mothering Heights2021
11Dog Man: Twenty Thousand Fleas Under the Sea2023
12Dog Man: The Scarlet Shedder2024
13Dog Man: Big Jim Begins2024
14Dog Man: Big Jim Believes2025
15Dog Man: A Sprinkle in Time2026年11月(予定)

そう、最新の第15巻『Dog Man: A Sprinkle in Time』が、2026年秋(11月)にアメリカで発売予定なんです。タイトルからすると、どうやらタイムトラベルがテーマになりそう。シリーズは今もこうして続いていて、うちの息子も新刊を心待ちにしています。

※日本語版は英語版より少し遅れて出ています。翻訳版の最新の発売状況は、飛鳥新社の公式サイトや書店でチェックするのが確実です。

スピンオフ『Cat Kid Comic Club』もおすすめ

Dog Manを読み終えた子が次に手に取ることが多いのが、スピンオフの 『Cat Kid Comic Club(キャットキッド・コミッククラブ)』。Dog Manに出てくる子猫リル・ピーティーが、オタマジャクシの仲間たちに「マンガの描き方」を教えてくれるお話です。2020年から始まって、すでに5巻以上が出ています。

「読むだけ」から「自分でも描いてみたい!」へと、子どもの創作意欲をぐんと引き出してくれる内容なので、Dog Manにハマった子への「次の一冊」にぴったり。順番としては、まずDog Manを楽しんでから、Cat Kidへ進むのが自然な流れです。


作者デイブ・ピルキーの原点:「弱み」を「スーパーパワー」に変えた男の子の話

Dog Manがなぜこんなにも「本が苦手な子」の心をつかむのか。その答えは、作者デイブ・ピルキーさん自身の子ども時代にあります。ここは、私がこの作品でいちばん子どもたちに伝えたいと思っている部分です。

「ミスター・ピルキー、廊下へ!」

ピルキーさんは子どものころ、ADHD(注意欠陥・多動症)とディスレクシア(読字障害)を抱えていました。じっと座っているのが難しくて、授業中に落ち着けない彼を、先生はどう扱っていいか分からなかったそうです。本人はこう振り返っています。「学校ではすごく苦労していました。今でいうADHDだと診断されたばかりで、それにディスレクシアもあったんです。」。

先生は、彼をたびたび教室から追い出しました。ドアを指さして「ミスター・ピルキー、廊下へ!」。それが、幼いピルキーさんの日常でした。同じ年ごろの子を持つ親として、この場面を読むと胸がきゅっとなります。

廊下の机で生まれた「ドッグマン」

でも彼は、この「追い出された時間」をマイナスにしませんでした。誰もいない廊下の机で、ひたすら絵を描いて、自分だけのマンガを作りはじめたんです。クラスのみんなを笑わせようと描いたのが、あの『キャプテンアンダーパンツ』。そして驚くことに、ドッグマンもキャプテンアンダーパンツも、小学2年生のときに廊下で生まれたキャラクターなんです。

字がうまく読めない、じっと座っていられない。そんな「できないこと」に囲まれていた男の子が、絵とユーモアという「できること」で、自分だけの世界を切りひらいていく。Dog Manに流れている「文字が苦手でも大丈夫」というやさしい空気は、この実体験から生まれたものだったんですね。

破られたマンガと、お母さんがくれた「読書=愛」の記憶

彼の歩みは、順風満帆ではありませんでした。あるとき先生は、彼が一生懸命描いたマンガを、目の前で破り捨ててしまいます。それでも彼の情熱を守り抜いたのが、お母さんでした。毎週かならず図書館に連れて行って本の世界にふれさせ、あなたの漫画は素晴らしい、もっと描いて、と励まし続けたそうです。彼はこの経験を、人生を変えた瞬間として語っています。「僕は、読書を『愛』と結びつけて感じるようになったんです。それが、すべてを変えました」

このインタビューを初めて見た時、私は涙が止まりませんでした。ピルキーさんが生まれたのは1966年。いくらアメリカでも、当時ADHDやディスレクシアへの理解はまだまだ十分ではなかったはずです。みんなと同じようにできないわが子とどう向き合えばいいのか、お母さん自身もきっと、人知れず悩んだ夜があったと思います。それでも息子の可能性を信じ、ありのままを受け止めて、ただひたすらに愛を注ぎ続けた。このお母さんがいたからこそ、ピルキーさんは彼らしくいられて、今も世界中で読まれるベストセラーを生み出し続けているのだと思います。子どもの「好き」を信じて守るということの大きさ、子どもへの向き合い方。同じ親として、涙なしには見られないお話でした。

「弱み」じゃなく「武器」なんだ

大人になったピルキーさんは、かつて自分を苦しめたADHDとディスレクシアを、いまでは自分の「スーパーパワー」だと考えています。彼はこう言います。「ADHDのおかげで、退屈じゃない物語が書けるようになった。ディスレクシアも助けになりました。言葉を一つひとつ、とてもとても慎重に選ぶようになったからです」

読み書きに人一倍苦労したからこそ、少ない言葉で、絵の力を借りて、だれにでも伝わる物語を作る。その姿勢が、Dog Manの一冊一冊に息づいています。子どもにDog Manを手渡すことは、ただ人気のマンガを渡すだけじゃない。「うまくできないことがあっても、あなたにしかできないことがきっとある」という、作者の人生から生まれたメッセージも一緒に渡すことなんだと、私は思っています。


【ここだけの話】デイブ・ピルキーは今、日本に住んでいる

ここからは、日本で子育てをしている方にこそ知ってほしい、とっておきの話です。

実はデイブ・ピルキーさん、今、奥さんと一緒に日本で暮らしているんです。2026年のアメリカの人気番組『ケリー・クラークソン・ショー』に出演した際、彼はこう話しました。「妻と僕は日本に住んでいて、本屋さんに行ってマンガを眺めるのが大好きなんです」

※動画内でピルキーさんは「妻と日本に住んでいて、本屋でマンガを見るのが大好き」と話しています。

日本で暮らすうちに、彼はすっかり日本のマンガの魅力にハマったそう。中でも子ども向けの『ドラえもん』を「本当にすばらしい」と絶賛しています。日本の書店に並ぶマンガから受けた刺激が、彼の創作に新しい火をつけました。

日本の影響で生まれた「キャプテンアンダーパンツ 完全マンガ版」

そしてついに2026年4月、その情熱がかたちになりました。『Captain Underpants: The First Epic Manga』。キャプテンアンダーパンツを、日本のマンガのスタイルで完全に描き直した一冊が発売されたんです。

しかも、作画を手がけたのが日本の漫画家もとじろうさん。ここで「あっ!」と思った方も多いかもしれません。もとじろうさんは、小学生向けの学習漫画・知育漫画の世界で活躍する方で、あの学校の図書館でいつも貸出中の大人気シリーズ『科学漫画サバイバルシリーズ』(『南極のサバイバル』など)や、『バトル・ブレイブス』シリーズの作画を担当されている方なんです。うちの子が夢中で読んでいるあのサバイバルの絵の人が、ピルキーさんとタッグを組んでいる。そう知ると、一気に距離が縮まりますよね。

ピルキーさんが原作を再構成し、もとじろうさんが日本のマンガらしい、いきいきとした絵で描き直す。「30年が経って、キャプテンアンダーパンツを新しい世代の読者に紹介できたら最高だなと思ったんです。」と彼は語っています。しかもこのマンガ版、売れ行きが好調で、すでに第2弾も制作が進んでいるそうです。ピルキーさんは「昔から直したかった部分を修正している」とのこと。

私たちが親しんできた日本のマンガ文化が、海を渡ってアメリカの国民的キャラクターを生まれ変わらせている。そう思うと、なんだか誇らしい気持ちになります。日本で子育てをしている私たちだからこそ、この背景を知ったうえで子どもに手渡せるのは、ちょっと特別なことだなと思います。


まとめ

Dog Man(ドッグマン)は、デイブ・ピルキーさんが生んだ、犬の頭を持つ警察官が大活躍する子ども向けグラフィックノベル。マンガ形式で読みやすく、笑いと友情、そして「人は変われる」という温かいテーマにあふれていて、本を読むのが苦手な子ほど夢中になる作品として、アメリカで社会現象級の人気を誇っています。

対象年齢は6歳ごろから小学校中〜高学年まで。英語も平易で、洋書多読の一冊目にもぴったりです。読む順番は刊行順が基本で、まずは第1巻『Dog Man』から。ハマったら、スピンオフの『Cat Kid Comic Club』へと世界を広げていけます。最新の第15巻は、2026年秋に発売予定です。

47か国語で読まれているということは、世界中の子どもたちが同じドッグマンで笑っているということ。ふと想像してしまうんです。いつか我が子が大きくなって、留学したり海外の友だちができたりしたとき、「え、Dog Man知ってるの!?」なんて、あの犬の警察官が会話の入り口になる日が来るのかもしれないな、って。国も言葉も違う子ども同士が、大好きだった一冊で一気に打ち解ける。そんな場面を思い浮かべると、今この本を一緒に読んでいる時間が、未来の息子へのちょっとした贈りものみたいに思えてきます。少し気の早い親心ですけどね。

そしてこの作品の根っこには、ADHDとディスレクシアを抱えながら廊下でマンガを描き続けた、一人の男の子の物語があります。その彼が今、日本で暮らしながら新しい作品を生み出している。そう知ると、この本を子どもに手渡す時間が、もっと愛おしくなる気がします。ぜひ、親子でいちばん最初のページを開いてみてくださいね。


よくある質問

Q1. Dog Manは何歳から読めますか?

目安は6歳からです。絵が多くて読みやすいので、読み聞かせなら未就学のお子さんから、自分で読むなら小学校低学年ごろから楽しめます。中心となる読者層は7〜11歳くらいですが、笑いのツボが幅広いので、その前後の年齢でも十分楽しめます。

Q2. 英語のレベルは英検でいうと何級くらいですか?

はっきりした基準はありませんが、使われている単語やセンテンスの多くは、目安として英検4〜3級(中学初級〜中級)くらいの感覚です。1文が短く、絵が意味を助けてくれるので、実際の級の数字よりもずっと読みやすく感じられます。

「わざとスペルを間違えているって、英語学習に悪くないの?」と心配になる方もいるかもしれません。でも、大丈夫。あの誤字は、ほとんどが発音どおりに書いた「かわいいスペルミス」なんです。たとえば “because” を “becuz”、”night” を “nite” と、発音のとおりに崩して書く、といった感じ。実はこれ、英語圏の子どもたちが読み書きを覚えていく過程でごく自然にやる、ほほえましい間違いそのものなんです。ネイティブの子も通る道を、そのまま作品の味にしているんですね。むしろリアルな英語にふれられるとも言えます。「これはわざとなんだよ、正しくはこう書くんだよ」と一緒に見てあげれば、学びのきっかけにもなりますよ。

Q3. 女の子でも楽しめますか?

もちろんです。ヒーローものというと男の子向けに思われがちですが、Dog Manは友情や家族、「人は変われる」といった普遍的なテーマが中心なので、性別を問わず夢中になれます。子猫のリル・ピーティーをはじめ、かわいくて魅力的なキャラクターもたくさん。アメリカでも女の子の熱心なファンがたくさんいます。私の小学生の姪っ子たちも夢中です!

Q4. 大人が読んでも面白いですか?

とても面白いです。各巻のタイトルは名作文学や映画のパロディになっていたり、大人だからこそクスッと笑える小ネタが随所に仕込まれていたりします。「人は変われる」「やり直せる」というテーマは、大人が読むとむしろ深く響くもの。子どもと一緒に読んで、親のほうがハマってしまうというのはよくある話です。

Q5. Captain Underpantsから先に読むべきですか?

いいえ、その必要はありません。Dog ManはCaptain Underpantsのスピンオフですが、単体で完結していて、予備知識がなくても十分楽しめます。Dog Manから入って、気に入ったらCaptain Underpantsへ、という順番でまったく問題ありません。ちなみにCaptain Underpantsには、日本のマンガスタイルで描き直された新版(2026年発売)もあり、そちらから入るのも新鮮でおすすめです。

Q6. Cat Kid Comic Clubはいつ読めばいいですか?

Dog Manをある程度楽しんでからがおすすめです。Cat Kid Comic Clubは、Dog Manに登場する子猫リル・ピーティーが主役のスピンオフ。Dog Manのキャラクターを知っていると、より楽しめます。「自分でもマンガを描いてみたい」という気持ちを引き出してくれる内容なので、Dog Manに夢中になった次のステップにぴったりです。

Q7. Dog Manは全部で何巻ありますか?

メインシリーズは、2025年発売の第14巻『Big Jim Believes』まで出ていて、第15巻『A Sprinkle in Time』が2026年秋に発売予定です。シリーズは現在も続いています。これに加えて、スピンオフの『Cat Kid Comic Club』も5巻以上出ているので、あわせて長く楽しめます。