The Bad Guys(バッドガイズ)の英語レベルは?多読での感想を親目線でレビュー

息子が、アメリカの幼稚園で同級生だったお友だちと、久しぶりにテレビ電話をしていたときのことです。画面の向こうのその子が、息子に向かってこう言いました。「週末にThe Bad Guys 2の映画を観に行ってきたんだ。とってもおもしろいから、君も観に行った方がいいよ!」。

興奮ぎみに勧めてくれるお友だちの言葉に、息子もすっかりその気になったようでした。電話を切ったあと、息子はすぐに「僕もその映画を観たい」と言い出しました。

The Bad Guys(バッドガイズ)第1巻の表紙

これが、我が家とThe Bad Guys(バッドガイズ)の出会いです。ところがここから、映画も本もすんなりとはいきませんでした。読みやすそうと思って渡した1冊は、半年ものあいだ本棚で眠ることになります。それでも最後には、息子が自分から手を伸ばして一気に読み切りました。今日は、その顛末をそのままお話ししながら、The Bad Guysという作品が英語多読にどう向いているのかを、親目線でご紹介します。

※本ページはプロモーションを含みます。

The Bad Guys(バッドガイズ)ってどんな本?

The Bad Guys(バッドガイズ)は、オーストラリアの作家アーロン・ブレイビー(Aaron Blabey)による人気のグラフィックノベルです。文も絵もブレイビー本人が手がけていて、出版社はDog ManやCaptain Underpantsと同じScholastic(スカラスティック)。第1巻は2015年に出て、本編は全20巻、2024年の「One Last Thing」できれいに完結しています。すでに完結しているので、途中で止まる心配がなく、気に入ったら最後まで走り切れるのも親としては安心材料でした。

物語の主役は、世間から「悪者」と怖がられている動物たちです。リーダーでオオカミのMr. Wolf、ヘビのMr. Snake、ピラニアのMr. Piranha、サメのMr. Shark、タランチュラのMr. Tarantula(通称Legs)。この見るからにワルそうな5匹が、ある日「これからは良いことをして、みんなにヒーローだと思ってもらおう」と、グッド・ガイズ・クラブを結成します。ところが良いことをしようとするたびに、とんでもない方向に暴走してしまう。その落差とドタバタが、笑いの中心です。

作品を語るうえでうちの息子がいちばん食いついたのが、キャラクターのプロフィール紹介のページでした。お気に入りはリーダーのMr. Wolf。彼の「犯罪歴」の欄に、三匹の子豚の家を吹き飛ばしたことや、おばあさんのふりをしておばあさんとその親戚を食べようとしたこと、などと書かれているのを見つけて、「これ、三匹の子ぶたと赤ずきんのことだよね」と大興奮でした。そう、The Bad Guysは、だれもが知っている昔話の悪役をネタにして笑わせてくれる作品なのです。知っているお話が下敷きになっているぶん、子どもは「あの話だ」とニヤリとしながら読み進められます。

The Bad Guysのように、絵の力で子どもをぐいぐい引き込んでくれるグラフィックノベルは、ほかにもたくさんあります。そもそもグラフィックノベルとはどんなジャンルなのか、なぜ英語多読と相性がいいのかは、グラフィックノベルの選び方とおすすめ5作品をまとめた記事でくわしく紹介しています。Dog Manをはじめとする定番もそろえているので、どれから始めようか迷っている方は、まずのぞいてみてください。

きっかけは、海の向こうのお友だちと1本の映画

話を、あのテレビ電話の日に戻します。「映画を観たい」と息子が言うので、その場ですぐに上映情報を調べました。ところが残念なことに、The Bad Guys 2の映画は日本では公開されていませんでした。楽しみにしていたぶん、息子はとてもがっかりしていました。

それでも、あきらめきれずにあれこれ調べているうちに、映画の原作であるThe Bad Guysの児童書なら、日本でも手に入ることがわかりました。「映画は観られないけれど、お話は本で読めるよ」と伝えると、息子の顔がぱっと明るくなり、その場でアマゾンに注文しました。海の向こうのお友だちのひとことが、そのまま英語の本へとつながっていった。今振り返っても、これ以上ないくらい自然な入り口だったなと思います。

映画から本へ、という流れは、英語多読を始めるうえでとても心強いフックになります。すでにキャラクターや世界観を「観たい」と思っている状態なので、本を開くハードルがぐっと下がるからです。もし近くで映画を観られる機会があれば、先に映画から入るのも十分ありだと、我が家の経験からは感じています。

「白黒がイヤ」で、本棚に半年寝ていた話

さて、ここからが我が家の本音のところです。
届いた本を開いて中身を確認すると、イラストがたくさんで、コマ割りされたグラフィックノベルのページもあり、文字もそれほど多くありません。これは読みやすそうだ、息子もすぐに読めるだろうと思って、わくわくしながら本を手渡しました。

ところが、予想はみごとに外れました。本を開いた息子のテンションが、見ている私にも分かるくらいダダ下がりだったのです。結局その日は一文字も読まず、さっさと本棚に片づけてしまいました。

どうしたのか理由をよくよく聞いてみると、返ってきた答えは意外なものでした。「ページが白黒なのがイヤだ」と言うのです。言われてみれば、まだ年長だった息子は、それまで白黒の絵本や児童書を読んだことが一度もありませんでした。幼児向けの絵本は、たいていフルカラーです。息子にとって本といえばカラーが当たり前で、モノクロのページはどこか物足りなく、地味に見えてしまったようでした。

The Bad Guys(バッドガイズ)本文の白黒ページ

こうしてThe Bad Guysの第1巻は、それから半年ほど、静かに本棚で眠ることになりました。息子のリクエストで購入した本が全く読まれないとなると、親としては少しさみしいものです。

でも、ここで無理に「読みなさい」と押しつけなかったのは、結果的に良かったと思っています。

半年後、ある日突然、自分から手に取った

本棚でThe Bad Guysが眠っているあいだ、息子はほかのグラフィックノベルにはしっかりハマっていました。フルカラーのDog ManやCat Kid Comic Clubなどを一通り読んで、コマ割りのある本を絵で読み進める楽しさに、すっかり親しんでいったのです。そうしてグラフィックノベルそのものに慣れていくうちに、最初はあれだけイヤがっていた白黒のページへの抵抗も、いつのまにかやわらいでいったようでした。

そんなある日のことです。息子が突然、本棚のThe Bad Guysに手を伸ばして、だれに言われるでもなく勝手に読み始めました。そして読み出したら止まらず、スラスラと1時間ほどで1冊を読み切ってしまったのです。しかも、ゲラゲラと大爆笑しながら!
あんなに拒否していた本を、こんなに夢中で読むなんて、と横で見ていて驚きました。

読み終わったあとの息子の様子から、この本が今の彼にちゃんと届いたのだな、と感じました。悪者に見えていた見た目の怖いキャラクターたちが、実は心の優しいところを持っている。人を見かけだけで判断してはいけない。ちょうど小学生になって、新しい環境で初めてのお友だちと知り合う機会がぐっと増えていた当時の息子にとって、これはまさにその時、必要なメッセージだったのだと思います。とりあえず相手と話してみよう、見た目で決めつけず、どんな子なのか知ってみよう。作品が伝えるそんな思いが、いちばん響くタイミングで届いたのでした。

不思議なもので、子どもはベストなタイミングを自分で選んで本に手を伸ばすことがあります。半年前に無理に読ませていたら、きっとこうはならなかったはずです。本っておもしろいなと、あらためて思わされた出来事でした。今その子に響くメッセージを、いちばんいいタイミングで自分から手に取る。そういう出合い方ができるのも、家に本を置いておくことの良さなのかもしれません。

The Bad Guys(バッドガイズ)の英語レベルと、多読での立ち位置

ここで、多読の視点から気になる英語レベルの話をまとめておきます。The Bad Guysの第1巻は、アメリカのAR(ATOS)でおよそ2.4、Lexile指数で530L。出版社のScholasticは7歳から10歳ごろ、図書館向けの評価では小学校2年生から4年生あたりを目安にしています。あくまで英語圏の子ども向けの数字なので、日本で英語を学ぶ子にそのまま当てはまるわけではありませんが、ひとつの目安にはなるかと思います。

数字だけ見ると少し身構えてしまうかもしれませんが、実際のページはとても親しみやすい作りです。大きなイラストにセリフの吹き出しと短い地の文がついていて、1冊137ページほどでも、文字の量はそれほど多くありません。会話がテンポよく進むので、絵を手がかりに話を追っていけます。

そして、我が家の経験からいちばんお伝えしたいのがこの点です。The Bad Guysは、三匹の子ぶたや赤ずきんといった、子どもがすでに知っている昔話を下敷きにして笑わせてくれます。だから、英語のこまかいところが全部わからなくても、「あの話のことだ」と推測しながら楽しめるのです。知っているお話が、英語のハードルをそっと下げてくれる。息子がMr. Wolfの犯罪歴を見て大興奮したのは、まさにこの仕組みが働いた瞬間でした。

多読の中での立ち位置としては、純粋なコミック形式のDog Manよりも、地の文がほんの少し多めです。だからThe Bad Guysは、コミックにたっぷり親しんだ子が、物語の文章へと一歩進むための「橋渡し」にちょうどいい作品だと感じています。とはいえ、Captain Underpantsのような小説的な部分はほとんどなく、短いセリフのかけあいがメインなので、小学校の低学年でも十分読めると思います。

どの巻から読む?揃え方のヒント

読む順番についてですが、The Bad Guysは基本的に第1巻から順番に読むのがおすすめです。キャラクター同士の関係や、物語の縦のつながりが少しずつ育っていくので、1巻から追いかけると、悪者たちが少しずつ変わっていく様子をつかみやすいです。

まずは1冊、第1巻から試してみて、お子さんの食いつきを見てから買い足していくのが安心です。気に入ったようなら、複数巻がまとまったセットを選ぶと、1冊ずつ買うより手に取りやすくなります。我が家のように最初は寝かせておいて、あるとき一気に読み進める、という展開も十分ありえますから、慌てず1冊ずつでも大丈夫です。

Dog Manと迷ったら?タイプ別の選び方

The Bad Guysを検討している親御さんの多くが、同じグラフィックノベルのDog Manとどちらから始めようか、と迷われるのではないかと思います。我が家の順番でいうと、息子はフルカラーのDog ManやCat Kidでグラフィックノベルそのものに親しんでから、The Bad Guysをすんなり読めるようになりました。

ですので、まだグラフィックノベル自体に慣れていないお子さんには、フルカラーかつ、コマ割り中心でテンポの速いDog Manから入るのがおすすめです。すでにコミックをたっぷり読んでいて、もう少しお話らしい文章にも触れさせたい、という段階なら、地の文がやや多めのThe Bad Guysがちょうどよい一歩になります。Dog Manの魅力やレベル感はDog Manってどんな本かをくわしく解説した記事にまとめていますし、Dog Man・Cat Kid・Captain Underpantsの3作品を徹底比較した記事もあるので、我が家のようにどれから読ませようか迷った時の参考にしてみてください。

ひとつ、息子がとびきり喜んだエピソードを添えておきます。

The Bad guys(バッドガイズ)表紙のDav Pilkeyからの推薦コメント

The Bad Guysの表紙の上のほうに、「I WISH I’D HAD THESE BOOKS AS A KID. HILARIOUS!(子どものころにこの本に出会いたかった。最高に笑える)」というDav Pilkey(デイヴ・ピルキー)の推薦コメントが載っています。息子はこれに気づいて大喜びでした。Dav Pilkeyは、息子が大好きなDog Manや、お絵かき好きな子に人気のCat Kid Comic Club大爆笑まちがいなしのCaptain Underpantsの作者だからです。自分の大好きな作家がすすめている本なんだ、とわかった瞬間、The Bad Guysがぐっと特別な1冊になったようでした。

こんなお子さんに向いています

我が家の経験から、The Bad Guysが合いそうなお子さんの様子をまとめておきます。まず、Dog ManやCat Kidなどのグラフィックノベルをすでに楽しんでいる子で、なおかつ白黒のページにも抵抗がない子。次に、三匹の子ぶたや赤ずきんなどの昔話を知っていて、そのパロディをおもしろがれそうな子。そして、映画やアニメがきっかけで、キャラクターに親しみを持っている子です。ユーモアたっぷりのお話が好きな子なら、まず楽しんでくれると思います。

反対に、まだフルカラーの絵本が中心で、白黒のページに慣れていないお子さんは、我が家のように最初は身構えるかもしれません。その場合は無理に急がず、先にDog Manのようなフルカラーのグラフィックノベルで、絵で読み進める楽しさに慣れてから、あらためて手渡してみるのがおすすめです。焦らなくても、ちゃんと読みたくなるタイミングはやってきます。

よくある質問

Q1. 何歳くらいから読めますか

英語圏では7歳から10歳ごろが目安とされています。日本で英語を学ぶ子の場合は、グラフィックノベルにある程度慣れていることが読みやすさの分かれ目になります。我が家は年長で買いましたが、実際にすらすら読めたのは小学生になってからでした。

Q2. 映画を先に観てもいいですか

むしろおすすめです。キャラクターや世界観に親しんでから本を開くと、内容を推測しやすく、読むハードルが下がります。我が家も、映画の話がきっかけで本にたどり着きました。

Q3. Dog Manとどちらを先に読むといいですか

グラフィックノベルにまだ慣れていないなら、コマ割り中心のDog Manから入るのがおすすめです。すでにコミックをたくさん読んでいる子なら、地の文がやや多いThe Bad Guysが次の一歩にちょうど合います。

Q4. 全巻そろえたほうがいいですか

まずは第1巻だけ試して、お子さんの反応を見てからで十分です。気に入ったらセットで買い足すと、1冊ずつよりも手に取りやすくなります。本編は全20巻で完結しています。

Q5. 白黒のページを嫌がったらどうすればいいですか

我が家はまさにこれで、半年ほど本棚で寝かせました。無理に読ませず、ほかのグラフィックノベルで絵から読む楽しさに親しむのを待つと、あるとき自分から手に取ることがあります。急がないのがコツです。

まとめ

The Bad Guys(バッドガイズ)は、悪者に見える動物たちがヒーローを目指すユーモアたっぷりのグラフィックノベルで、映画やなじみのある昔話を入り口にしながら、英語多読へ自然につなげられる作品です。我が家では、白黒がイヤで半年寝かせたあと、息子が自分のベストなタイミングで手に取り、1時間で一気に読み切りました。見かけで決めつけない、というメッセージが、いちばん響く時期に届いたのだと思います。

読みたくなるタイミングは、子どもが自分で選びます。だからこそ、気になる本はそっと本棚に置いておく。その積み重ねが、いつか夢中で読む1日につながるのだなと、この作品に教えてもらいました。

最後に、次の一歩の見つけ方を添えておきます。

グラフィックノベルそのものからじっくり知りたい方は小学生に人気の英語グラフィックノベルおすすめ5選から、まず定番を一冊試したい方は我が家も最初に夢中になったDog Manの紹介記事から読んでみてください。

絵を描くのが好きなお子さんにはCat Kid Comic Clubの紹介記事、とにかく笑わせたいならCaptain Underpantsの紹介記事がおすすめです。

三つを並べて選びたいときは、Dog Man・Cat Kid・Captain Underpantsの徹底比較記事がいちばんの近道になります。