ヴェネツィア共和国時代、総督の住居、そして執務所、裁判所でもあり、牢獄まであったドゥカーレ宮殿を見学してきました。
通常の入場では見ることの出来ない秘密の部屋が見られるシークレットツアーにも参加して来たので、そちらについては別でまとめるとして、今回は通常の入場で見られる範囲のドゥカーレ宮殿の観光についてレポートしたいと思います。
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale, Doge’s Palace)の基本情報
ドゥカーレ宮殿とは
ヴェネツィアで、サン・マルコ寺院と1、2を争う観光スポットで、サン・マルコ寺院の南側、運河に面して建っています。
ヴェネツィア共和国において、総督の住居、そして執務所、裁判所、牢獄など、様々な役割を果たしていました。
9世紀に基礎が作られ、その後14~15世紀に改装され、装飾の多い現在の建物になりました。
ドゥカーレ宮殿は、ヴェネツィア共和国の富と権力の象徴だけあり、やはり内部の装飾も非常に華やかなものとなっています。
開館時間
4/1~10/31 : 8.30 am – 7 pm (入場は 6 pmまで)
11/1~3/31 : 8.30 am – 5.30 pm (入場は4.30 pmまで)
※現在、”MUSEUMS BY THE MOONLIGHT 2018”というイベントで、金曜と土曜のみ、夜11時まで開館しています(入場は10pmまで)。
このイベントがいつまで続くのかは、この記事を書いている2018年10月時点では、まだ記載がないので、これから行かれる予定の方は改めて、下記、ドゥカーレ宮殿の公式サイトをご確認下さい。
http://palazzoducale.visitmuve.it/en/pianifica-la-tua-visita/opening-times/
入場料金
ドゥカーレ宮殿見学のためには、ツアーや他の美術館と抱き合わせになった共通券の購入が必要です。
ドゥカーレ宮殿の見学のみというシンプルなチケットは販売されていません。
① ST. MARK’S SQUARE MUSEUMS TICKET
大人 : 20ユーロ、
6~14歳の子供や15~25歳の学生 : 13ユーロ
ドゥカーレ宮殿以外に、コッレール博物館や国立マルチャーナ図書館などにも入れます。
② SECRET ITINERARIES TOUR
大人 : 20ユーロ、
6~14歳の子供や15~25歳の学生 : 14ユーロ
通常のドゥカーレ宮殿見学以外に、通常の入場では見ることの出来ない秘密の部屋をガイド付きで見学することの出来る、シークレットツアー付きのチケットです。
約1時15分のシークレットツアーの後、通常の入場に並ぶことなくそのまま宮殿内を見学することが出来ます。
③ MUSEUM PASS
大人 : 24ユーロ、
6~14歳の子供など : 18ユーロ
ドゥカーレ宮殿以外に、①の見学可能な施設に加え、ムラーノ島のガラス美術館や、近代アート美術館、カルロ・ゴルドーニの家など、様々な美術館への入場が出来ます。
この中で、特にオススメなのが、②のドゥカーレ宮殿見学にシークレットツアーが含まれたものです。
というのも、他の共通パスは一見お得に見えますが、本来ヴェネツィアで観光予定のない施設ばかりと抱き合わせてあるからです。
サン・マルコ寺院などとセットの共通券があれば、迷わず購入するのですが。。
この辺りさすが商売上手のヴェネツィア!ですね。(笑)
その他(住所や連絡先など)
住所: San Marco 1, 30124 Venezia
Tel: +39 041 2715911
E-mail: info@fmcvenezia.it
公式サイト(英語): http://palazzoducale.visitmuve.it/en/home/
ドゥカーレ宮殿見学
大運河に面した入場口を通り、中庭に出ると、そこの右手に階段があります。
そこの階段を上り、ドゥカーレ宮殿はスタートしますが、主な見所は3階と4階に集まっています。
最初に4階まで上がり、3階、2階へと降りながら見学する順路がオススメです。
中庭
16世紀に造られたブロンズ製の井戸のある中庭。
ヴェネツィア共和国時代、雨水を飲料水として利用するために、井戸がたくさん造られたようです。
中庭にはトイレやクロークもありますので、必要な方はご利用下さい。
ヴェネツィアの陸と海を意味するネプチューンとマルスの巨像が置かれたこちらは、巨人の階段と呼ばれています。
黄金階段(Scala d’Oro)
16世紀に造られた、黄金に輝くゴージャスな装飾の天井を持つドーム型の階段を通り、総督の公邸に入ります。
貴族、議員、国賓レベルの許された者だけが、使用することの出来た特別な階段です。
ヴェネツィア共和国の富と総督の権力を象徴するこの黄金階段は、ドゥカーレ宮殿らしい必見スポットです。
4つの扉の間(Sala delle Quattro Porte)
元老院の間などのドゥカーレ宮殿の中でも特に重要な部屋へと繋がっている部屋で、正式な控室として使用されていました。
客人を始めに通す部屋ということで、やはり豪華な造りになっています。
謁見控えの間(Anticollegio)
次に紹介する謁見の間へ続く控え室です。
各国大使などが主に通されていました。
謁見の間(Sala del Collegio)
各国大使との謁見や条約の調印などに使われていた部屋です。
外国の要人を招き入れる部屋ということで、ヴェロネーゼとその弟子の作品がぎっしりと天井を埋め尽くしています。
これらの絵は、天井に直接描かれているのではなく、板絵で、天井に貼り付けられています。
写真の右側、ヴェロネーゼ作「レパントの海戦の勝利を感謝するヴェニエル総督」は必見です。
元老院の間(Sala del Senato)
ヴェネツィアで最も古い公的機関である、上院の議会が開かれていました。
天井にはティントレットによる作品が飾られています。
こちらの美しい時計は、「星座時計」で、今でも人の手で1か月に1度動かされています。
十人委員会の間(Sala del Consiglio dei Dieci)
元老院などから次々と権力を勝ち取り、事実上の最高意思決定機関となっていった十人委員会は、この部屋で重大な国家機密を扱っていました。
シークレットツアーで教えてもらったのですが、実は、この写真の中に、ヴェネツィア共和国時代にも存在をほとんど知られていなかった秘密の扉があります。
写真の中央上、部屋の右角の天井に飾られているのは、ヴェロネーゼ作「老いと若さ」です。
武器の間(Sala d’ armi)
戦時の武器や遺品が展示されています。
大評議会の間(Sala del Maggior Consiglio)
ドゥカーレ宮殿一番の見どころと言われる部屋です。
豪華な装飾と、54メートル×25メートルという広さに圧倒されます。
大評議会の間には、柱が一本もなく、部屋の中で視界を遮るものが何もありません。
ヨーロッパ最大と言われるこの部屋には2,000人も収容可能なのだそうです。
この部屋の天井中央にもヴェロネーゼ作「ヴェネツィアの勝利」が飾られています。
こちらはヴェロネーゼ、生涯最後の作品です。
正面の壁一面を覆っているのは、ティントレット作「天国」で、世界で最も大きい油絵と言われています。
新牢獄(Prigioni)
溜息の橋を通って、新牢獄へ向かいます。
もともと、ドゥカーレ宮殿内部に牢獄があり、そこに囚人を収容していたのですが、囚人の人数が増えたことで、16世紀にドゥカーレ宮殿から細い運河で隔てた場所に新牢獄が作られました。
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale, Doge’s Palace)まとめ
本来博物館で壁に展示されているようなレベルの絵画が天井に張り付けられている様子は圧巻でした。
また、ヴェネツィア共和国時代の富と権力を象徴すると言われているだけあり、ドゥカーレ宮殿内には惜しむことなく金を使った装飾がなされていました。
そんな煌びやかな反面、ドゥカーレ宮殿には牢獄もあり、当時、ヴェネツィア共和国にとって様々な役割を果たしていた宮殿なのだということが分かりました。
ドゥカーレ宮殿で、ヴェネツィア共和国の栄華を感じることが出来ました。
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