デン・ハーグへ行った主な目的は、マウリッツハイス美術館の見学だったのですが、時間が余ったのですぐ近くの監獄博物館(Museum de Gevangenpoort)へも足を延ばしてきました。ガイドツアーにも参加してきました。
ガイドブックなどにもほとんど載っていないレアな博物館なので、レポートします。
監獄博物館(Museum de Gevangenpoort)について
監獄博物館は1280年に現在のビネンホフの正門(守衛所)として作られました。そして、1428年からこの正門は監獄としての役割を果たすようになり、それは19世紀まで続きました。
罪人を収容していただけではなく、自白させるための拷問も行われており、その際に使用されていた拷問器具が館内には展示されています。
行き方
デン・ハーグといえば、マウリッツハイス美術館やビネンホフが観光名所として知られていますが、監獄博物館はそのすぐ近くにあります。徒歩5分かからないので、非常に好立地です。
入場料
大人: € 10,00
12歳以下: € 6,00 (ただし、8歳未満の子供には、この博物館の見学は適切でないとHPに記載されています。)
因みに私は、ミュージアムカード (Museumkaart)という観光パスを持っていたので、支払いなく入場することができました。
詳細情報
住所: Buitenhof 33, 2513 AH, Den Haag, the Netherlands
営業時間: 火曜~金曜 10:00~17:00、土曜日曜 12:00~17:00 (月曜は定休日)
公式HP(英語): https://www.gevangenpoort.nl/en/homepage
TEL: +31 70 346 0861
E-mail: info@gevangenpoort.nl
監獄博物館のガイドツアー
監獄博物館内のほとんどは、30分間のガイドツアー参加者のみが見学することが出来ます。
ガイドツアーは毎時間オランダ語で開催されていますが、土日の14:15からのツアーのみ英語での開催となります。
私は平日に参加したのでオランダ語でのツアーになりましたが、オーディオの無料貸し出しとパンフレットが貰えました。
残念ながらオーディオは日本語がなかったので英語を選択しましたが、パンフレットは日本語でかなり詳しく館内の説明が書いてあり充実の内容となっていました。
オランダ語も英語も分からない方も、この日本語のパンフレットがあれば、ガイドツアーは十分理解することが出来ると思います。
また、ガイドツアー中の飲食及び写真撮影は固く禁止されていますのでお気を付けください。
留置所
囚人が刑の判決手続きを待つ間、拘留されていたスペースでとても暗く、寒かったです。囚人の脱走を防ぐために、窓と壁の間には1メートル以上の距離があり、外からの光はほとんど入りません。ブランケットなども供給されることはなく、わずかな麦わらのみで囚人は寒さを凌いでいたそうです。
屋根裏部屋
当時、死刑は多くても年に数回しか実行されていませんでしたが、それが行われていた部屋です。最も深刻な犯罪の死刑囚は、ベッドでくくりつけられ、それごと破壊されたそうです。とどめの一撃がハンマーで心臓に振り下ろされる前に、死刑囚の骨はボロボロだったとか。
拷問監房
容疑者に自白させるため、手や膝にネジを刺し徐々に締め付けていく拷問などが行われていました。拷問は拷問官により行われていましたが、拷問の内容が激しい場合などは、拷問官の精神が追いつめられることもあったそうです。
この部屋の壁にはデルフトのタイルが使われていましたが、それは飛び散った血液を掃除しやすかったからだそうです。
ガイドツアー以外で見学可能なスペース
これらのスペースは、ガイドツアーに参加しなくてもいつでも見学可能です。ガイドツアー開始まで少し時間があったため、見学しました。写真撮影も許されています。
裁判官の部屋
裁判官が使用していた部屋です。小さいながらも豪華な造りとなっていました。
恥の木版
当時のオランダでは、大衆の面前で行われる刑罰の劇場的パフォーマンスには重要な意味がありました。窃盗や賭博などの軽犯罪者は見せしめとして公に辱めを受けました。
その際、罪の内容の書かれたこれらの木版を罪人にかけました。通行人たちは、罪人に犬の汚物やねずみを投げつけたり、唾をはきかけたり、放尿したりしたそうです。
ギロチンに使われていた器具
当時のオランダでは、ギロチンは身分の高い者にのみ許された特権的な死刑の執行方法でした。社会的に身分の低い者は、絞首刑に処せられました。
さいごに
あまり明るい気分になれる博物館ではないですし、ガイドツアーも基本的にオランダ語なので時間のない方にはなかなかおすすめできませんが、個人的には行って良かったと思っています。
美しいデン・ハーグばかりに目がいきがちでしたが、こうした負の部分も見られたことは、オランダの歴史を知る上で大変良い勉強になりました。
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